はじめに
私は、ひちりきのリードを製作して2014年末で丸7年になります。
これまで7年間で製作したリードは、延べ600本を越えます。
もちろん、失敗も入れての本数です。
パソコンで見ると、最初の1年は失敗ばかりでした。
今はほとんど完成させています。
なぜ、こんなにリードにはまってしまったのでしょう。
このホームページは、ひちりきリード製作者の7年間の実験報告書です。
最終更新日 2016年12月4日(日)
上記の写真は2016年
7月上旬に納品させていただいた新規ご注文の方:2名分
再度のご注文の方:1名分のリード合計12本です。
中央のセメは丸棒で微調整前のものです。
上記写真はその中の1本です。
「私はリードを作れない方を対象にご注文をいただいております。
これは、私がこのホームページに掲載しました通り
リード作りに大変苦労したからです」
私は2500円/1本で音がでる状態にまで削り、以下の要領でリードの
ご注文を承っております。
(黒色がご注文者からのメール、青色が私からのメール&メッセージとなります)
1.郵送先のご住所(郵便番号)、ご氏名が必要となります。
2.納期の目安をメールにて送信させていただいております。
3.リードの太さ、削りをご指定いただきます。
太さは「細め、普通、太め」の中からのご指定です。
削りは、初心者の方は「軟らかめ」がよろしいと思われます。
4〜5年のご経験者は「普通」がよろしいと思われます。
「硬め」は篳篥の先生3名がいらっしゃいます。
もちろん、以下の組合せ製作も可能です。
「軟らかめ:無印、やや軟らかめ:◎印、普通:○印、やや硬め:□印、
硬め:△印」の組合せです。
3本以上のご注文だと3本毎に1本無料にて差し上げております。
セメはリード1本に対し、2個を差し上げております。
4.リードご注文確定のご連絡メールを送信いたします。
5.リードの製作に入り、完成したらメールにてご連絡いたします。
6.その時に、銀行の振込み口座をご連絡いたします。
7.お振込みをお願いします。完了したらメールにてご連絡をお願いします。
8.ご入金を確認し、郵便局より郵送いたします。送料は当方負担です。
9.リードを受け取られたらメールをお願いいたします。(私の安心のためです)
また、リードに何か問題があればメールをお願いいたします。
以上の流れとなります。
ご注文先のE−メールアドレスは「ひちりきリード」です。
余談ですが、ひちりきのリード作りには、かなりの労力と、技術の習得と
各工程での様々な工夫を必要とし、とても時間がかかります。
私は、老後の趣味として雅楽を始めたのですが、妻から言わせると
「ホームページまで作って、他人様のリードを作るなど、趣味を越えて
もう道楽でしょう」とのことで「昔からやっている人から反感を持たれない
ようにして下さい」との忠告がありました。
私は、ひちりきの上達はリード次第と考えており、プラスチック管(樹脂管)でも
大きなしっかりした音がでますし、音程も正しく吹けるものと思っております。
初心者でリードが悪かったために「ひちりきを断念」する方が多かろうと思っています。
(私も、断念寸前までいきました)
私の作ったリードで 「ひちりきを断念する方が少しでも減れば良いなあ」
という思いでリードの販売に取り組んでおります。
初心者は上級者の使いふるしを貰え。初心者用の軟らかいリードを購入せよ。
お茶に漬けると繊維が浮き出てくるのでそれを削って調整せよ。
先端を削ると高い音がでやすい。セメの方を削ると低い音がでやすい。
などがネットで検索したリードの定説です。
初心者は上級者の使いふるしを貰え。というのは個人的には反対です。
捨てるリードですから、もうへたっているのです。どんなにいい音がでていた
としても、へたったリードは、すでにへたっているのです。
初心者であればこそ、新品の張りのあるリードで練習すべきであると思います。
初心者のリードといっても「ぶよ」はだめです。差込側をつまんで
ぐにゃっと動くようなリードでは、いくら練習しても固い良い音は出ません。
また、削りすぎたリードもよくありません。夜店で売っている風船を
膨らませて竹のリードを「プファー」と鳴らすような音になってしまいます。
音程もふらふらして定まりません。
リードをご自分で削ろうと思っていらっしゃる方も「ペンライト」だけは
「100円ショップ」でご購入され、これを駆使してムラのないリードを
お作りいただくとよろしいと思っています。
このホームページがリードで悩んでいる方の少しでもご参考になれば幸いに
存じます。
(私は老齢なのでいつまでリードを作れるか、わかりません。
作っている材料の葦が尽きたら、もう、やめようと思っています)
セメを「きつめ」に作っております。購入時に添付されている「丸棒の先」で
クルックルッと回して良い状態に広げます。
セメはこのようにして左右対称になるようにバランスを微調整した後に用います。
(セメ止めを越えてずんずん入リ込んだり、セメが唇に貼り付いて吹奏中にズコッと
抜けてしまうようなことはありません)
1.リードとの対面
4.素材の準備 葦の購入
近隣で採れた葦での実験
リードに適さない葦について
葦の切断=作業台の作成&利用
用賀(ようが)の除去&ひしぐ側の決定
ティシュの空箱をごみ入れに利用
5.陰干し 伝統的な陰干し
実験@新しい陰干し
6.ひしぎ 伝統的なひしぎ
実験A新しいひしぎ
ジャンボエンチョーのコルク栓
私のリードの重視点
7.削り 実験Bリードの荒削り
実験Cセメ止めをどう作ればよいか?
リードの本格的な削り
伝統的なリードの硬さ調整
実験そのD新しいリードの硬さ調整=ペンライトの駆使
東儀兼彦先生のDVD
8.図紙 伝統的な図紙について
実験E新しい図紙の要領
9.セメ セメについて
実験そのF新しいセメの作り方
10.帽子 伝統的な帽子
実験そのG新しい竹製帽子
11.リードの扱い 実験Hリードの扱い
実験Iリードの開かせ方
12.その他リードに関して
実験用のリード約200本
リードの保存(竹炭)
試し吹きの件
はじめての方に吹いていただく
伝統的なサンドペーパーの使い方
新しいサンドペーパーの使い方
マスコットリードの製作
13.「たなかや」さんはすごい
15.その他 ひちりき実験結果の「マニュアル」について
リードの標準化促進について
車中の実験についてメリット・デメリツト
16.笙・龍笛の練習 笙の練習
17.唱歌 唱歌について
私の唱歌(ひちりき、龍笛)
音感から唱歌を導く
唱歌のマイナス面について
自分専用の雅楽の楽譜(ひちりき、龍笛)
笙の楽譜
プロの方の笙の唱歌
私の笙の唱歌
演奏の件(youtube)
18.おわりに
19.ホームページについて
20.ご意見など
私は60歳から雅楽に取り組み、2014年末で約8年間続けております。
まず、ひちりきを始めたのですが、最初リードに手こずりました。
どのように削って、どのようにセメをあてれば音がでるのかまったくわからないのです。
そこでネットであれこれ検索し、リードの調整過程を勉強しました。
始めのうちは固いリードで顔を真っ赤にして思いっきり息を吹き込んで音を
出していました。
1回の音出し5秒。練習を始めて5分。すぐに顎(あご)が悲鳴を上げてしまいます。
曲を練習するどころではありません。
ひちりきを始めてすぐに、妻からクレームが入り「ご近所さんに迷惑だから家の中では
吹かないで!」とビシッと釘をさされました。
確かに防音処置など無い民家です。ひちりきはドでかい音なのです。
かくして私は自家用車の中でひちりきの練習をすることになりました。
誰もいない公営の無料駐車場でです。
6ヶ月が経ち、私は諦めの心境に陥り、妻に「俺は、雅楽に向いていない。
もう、やめようと思う」と本心を打ちあけました。
妻からは「あれほどやりたいと言っていたんだから1年間続けてそれでも駄目なら
やめたらどうなの」と慰められました。
そこで、まず曲が吹けるように、音が長く続くリードで練習しよう。
もっと高額なリードで練習しよう。と1本4500円のリードを5本購入してみました。
このリードは桜の木の煙をかけたものということで、どれも細めでした。
ネットで検索した方からもいろいろなリードを購入してみました。
初心者用という触れ込みのリードも購入してみました。
そうです。市販のリードは削っていないので、そのままでは硬すぎて吹いても
まったく音がでないのです。
自分の技量にあわせての削りが必要になるのです。
プラスチック管に付属しているリードは「お飾り的」で、どう削っても鳴りません。
高温のお茶に漬けてみる。お茶に濡らしたリードに平らな型板を添えて輪ゴムで
くくってみる。セメ止めあたりを多めに削ってみる。先端を多めに削ってみる。
側面を多めに削ってみる。セメ止めのあたりを奥に向けて丸く削ってみる。などなど。
ところが何をやってもうまくいかないのです。もう、お金が続きません。
「素材を購入して実験していくしかない!」私はこういう経緯でリード製作の実験に
のめり込んでいきました。
購入したリードを削って「硬いリードを数ヶ月かけて、徐々に吹き
鳴らし、自在にあやつれるリードを作ろう」
私はこのように考え、硬いリードを真っ赤な顔にしてドデカイ音を
吐きだしていました。
これは硬いリードなんだからと自分に言い聞かせ、毎回の練習で5分は
馴らし続けました。
(硬すぎるリードのデメリットはリードの扱いのところに記述)
差込側の図紙も含めてお茶にどっぷりと浸して帽子をかぶせて乾かします。
数日が経ち、リードの表面がこげ茶に染まっていきました。
そしてついには両横も割れ、差込側の図紙のところもやわらかくなってきました。
「しめしめ。ネットで得た情報の通り」と、これを繰り返し行っていました。
その内に、突然、楽に音が伸ばせるようになりました。
その変わりに今まで使っていたリードの音が貧弱になり、詰まった感じの音に
なってしまいました。音がうまく抜けてくれないのです。
結局、鳴り始めた硬いリード1本を練習の中心におくことになりました。
そうしたところ、あっという間にリードがくっついて音が出せなくなって
しまったのです。つまり、良いリードの状態は長くは続かなかったのです。
(やっと良い状態になったのに!)
もったいなくてこのリードを捨てる気になりません。そのまま保存しておけば
また、鳴るリードになるかも知れないと思ったからです。
当時、私は5本のリードを持っていましたが、どれを使ってもうまくいきません。
自分がなんとなく惨めになり、曲よりもリードの音が気になって仕方がありません。
(プラスチック管を本管に変えれば、もっと良い音が楽にだせるのではないか?)
(神具店さんから、まっさらのリードを購入しても鳴るリードが削れるのか?)
(いっそのこと、龍笛だけにしようか? リードにお金はかからないし、ほっぺたを
ふくらました「みっともない吹き方」とは、おさらばできるし?)
リードが鳴らないと、練習をやる気がなくなってしまいます。
私はこのような理由から結局は3ヶ月程、ひちりきをまったく吹くことが
ありませんでした。次の写真はその時のものです。
リードが捨てられなくて、1本だけが手元に残っていました。
かなり、悔しかったからだと思います。
・
削りは自分で行いました。硬めです。
・
ペンライトで差し込み側から見てみると、お粗末な削りでした。
・
当時は図紙までどっぷりとお茶に浸していました。
・
セメ止めはネットで検索して学んだ通り、なだらかに削っています。
・
写真で見ると白っぽいですが、実際はお茶の渋でこげ茶色です。
・
リード先端のR(ラウンド:丸み)は今よりも大きいと思います。
・
購入したリードは細めでした。
・
檜の帽子をかぶせて乾かしましたので、リードの先端がぴったりと
はり付いてしまい、それをまた濡らしては開かすの繰り返しなので
両横が割れてしまっています。
このホームページをご覧の方の中にも、上記のような経験をなされた方が
いらっしゃるのではないでしょうか?
私には、上記の手法が「硬いリードをへたらせることによって音をあやつる技法」
のように思えてなりません。
60歳から雅楽を始めて数ヶ月もかけて音の出るリードを作り込むには時間がかかり
過ぎるのです。
リードを新調したら、すぐにでも「平調の越天樂」を練習したいのです。
私は以上のような理由から「最初から音が十分にだせるリードを作ろう。
リードがへたる前に吹きつくしてしまおう。毎回練習で同じリードを吹くのではなく
どのリードでも同じような音にしよう」をリード製作のコンセプトとしました。
そのために、ひしぎ、削り、帽子、セメの形状の実験を積み上げていこう決めました。
そして、いろんな方に私のリードを使っていただき、そのご評価をいただこう。
再度のご注文があれば「私のリードはご納得いただけた」と考えようと方針を
定めました。
そのためには「この人からリードを購入してよかった」と、喜ばれるリードを作ら
なければならない。と思っております。
まず、リードの材料である葦の購入が必要となります。
葦を「あし」とも「よし」とも読むことをネットで知りました。
「あし」は「悪し」につながるので「よし」と呼ぶようになったそうです。
材料の購入先は後述する「たなかやさん」で2月中旬ごろ販売が公開されます。
ここではひとり「30本」まで注文が可能です。(変わったかもわかりません)
「たなかやさん」の葦は1年ほど陰干ししてあるそうです。
すぐに完売となってしまうので、公開を見逃すと入手できませんので注意が必要です。
私も最初はもちろん、ここから購入しました。
その後「たなかやさん」は購入者が非常に多いので、私は遠慮することにしました。
また、ネットで鵜殿(うどの)ヨシ原研究所所長の小山弘道先生を検索し
そこでご紹介いただいた方から大量に購入いたしました。
購入先がお知りになりたい方はEメールをいただけば電話番号とお名前を
お知らせいたします。
ただし、2月頃がピークなのでこれを過ぎると来年まで待つことが考えられます。
また、葦は植物なので季節変動など天候の影響がでる場合が多かろうとも思います。
最近の葦は天候状況があわないのか、どうも「ひちりき」にはよくないようです。
近隣の葦での実験
私のリードをご購入いただいている篳篥の先生が、近隣で採れた「葦」を
10本届けてくれました。
この「葦」は節の長さが鵜殿の「葦」の1/2から1/3とかなり短いものでした。
1年間程陰干ししてから、ひしぎを行いましたが肉厚で繊維が荒くスカスカした感じの
「ぶよ」でリードにはまったく適しませんでした。
いただいた篳篥の先生にひしいだ実物をお見せし、ご納得をいただきました。
私は、たぶん、この「葦」は水の中で育ったものであろうと推察しました。
ヨシ原研究所所長であられる小山先生がおっしゃっています。
「水の中で育った葦は繊維がやわらかく、ひちりきのリードには適しません。
鵜殿の葦は陸地で育ち1.5m位深い根をはって”地上で節(ふし)が
長く固い茎に育つ”のでひちりきのリードに適しているのです」ということでした。
私の実験では、鵜殿の「葦」も少数ですが、水の中で育ったものが混ざって
いる「ぶよ」があるのではないかと思っております。
リードに適さない葦について
ひちりきに入りきらない太いものや、中が真っ黒なものはリードに適さないので
妻が趣味でやっている畑のトマトやナスやアスパラなどの支柱にしております。
サイズがよくても中が真っ黒なものはひしぎですぐに割れてしまいます。
差込側の内径が9mm以下のものは後述するマスコットリードを作っております。
素材を購入するとどうしてもこのようにリードに適さないものがあります。
私は歩留まりと考えることにしています。
葦の中が灰色や茶色程度のものはリードに使います。
また、へたったリードや実験で失敗したものや「ぶよ」は細く割って
リードを削ったクズと剥いだ皮を混ぜて畑に埋めております。
妻はミミズが増えたといっておりますので、「葦」がよかったのかなあと
私は内心思っております。
(妻からは、葦はなかなか土に戻ってくれない。土が汚く見える。と不評です)
リードに適しているのは1節目から4節目までです。
5節目以降はノコギリの切断がうまくいっても、ひしぎで真ん中から割れてしまいます。
この5節目以降を縛って燃えるゴミに出したところ、どこかの年配女性の方が
「あら、こんなにいいものが捨ててあるわ」と言って全部持っていかれました。
この話を妻にしたところ、2015年の年末にはサヤエンドウの風除けに利用して
もらいました。生育は例年より良いようで妻も喜んでくれました。
(写真は風除けに利用したリードに使えない5節目以降の葦)
葦の切断=作業台の作成&利用
購入した葦を6cm毎に切断します。
この時に作業台がないと葦がぐらぐらと動きますので、しっかりと固定するように
私は作業台を作りました。(以下の写真のようなもの)
葦がぐらつくと切断時に割れてしまう可能性があります。
私は近くの建具屋さんからどれでも100円という木切れを購入し
25cm位に切断して細い板を打ちつけ、これを壁にして
葦がぐらつかないように固定して切断しやすいようにしました。
また、6cm間隔の線を引いてあらかじめ何本分リードが取れるかをわかるように
しました。
後述するセメの材料を8cmに切るのも、竹製の帽子を切るのもこの作業台で
行っております。
葦の差込側2cmのところに線を入れますが、作業台に2cmの線を入れて
ここで差込側の寸法をはかり、鉛筆で線を入れています。
材料を切断するノコギリは鉄鋸よりも少しメが荒い程度がよろしいと思います。
葦の切断は直角が望ましいです。(これには熟練を要します)
直角に切断するとひしぎの時にいびつにならないし
差込側もリードがまっすぐ立つ方がよろしいからです。
(写真は手作りの作業台)
用賀(ようが)の除去&ひしぐ側の決定
6cmに切断した葦の中の用賀(ようが)を取り除きます。
私は、100円ショップで購入した「ガーゼ」を四角に切り、割り箸1本の先に
この「ガーゼ」を2枚あてて葦の中を通して用賀を取り除いております。
また、木の栓を自分で作り、これを葦の両方に差し込んで内径が大きい方をひしぎ側
小さい方を差込側にしています。
内径の大きい方をひしぐことはリード製作のDVDやネット検索で知りました。
ティッシュの空箱をごみ入れに利用
切断作業や竹製の帽子作りを行うと大量のごみが出ます。
私はティッシュの空箱を利用して捨てるごみを入れています。
具体的には、竹製の帽子を作るのに新聞紙の上で竹を削りますが、そのまま丸めて空箱に
突っ込み、足でつぶしてから燃えるごみとして指定のごみ袋に入れてだしています。
片付けをしながら作業を進められますので作業完了と同時に片付け完了です。
(写真は空箱に新聞紙をたたんで突っ込んだもの)
鵜殿の葦を購入して3年ほどは陰干しします。
ネットで拝見すると天理高校さんも3年間は陰干しをしていました。
(私の場合、道具が揃い、材料が揃ったので最初はすぐに「ひしぎ」に移りました。
その結果、割れが止まらず、結局は3年間の陰干しすることにしました)
どうしたら、うまく葦が乾燥するか? いろいろ実験してみました。
@自家用車内の陽のあたらない場所に置いてみる。
ANHK交響楽団のファゴット奏者が、やっていたみたいに葦を節と節の間隔で切断し
網に入れて風通しの良い日陰に吊るしてみる。
B家の中で陽のあたらない場所に節と節の間隔で切断して積み上げてみる。などなど
どれもこれも私にはイマイチに思えました。
実験その@新しい陰干し
上述のような実験した結果、最初から葦を6cmに切断し、中の用賀を取り除いて
37mmの長さで9mmほどの皮を交互に剥いで(はいで)から、陰干しすることに
しました。37mmの長さで皮・削り・皮・削りの状態にします。
(交互に皮を剥いだ状態)
葦の皮を交互に剥ぐには「木製のローソク」に葦を差して行いますが、市販のローソクは
大きすぎてやりにくいので、私は手作りの木製ローソクを使用しています。
通常のサイズ用と内径が9mm以下のマスコットリード作成用の木製ローソク2本を
作りました。
手作りの木製ローソクの写真はありません。
出来上がった葦を立たせて陰干しで乾燥させています。保管スペースも取りません。
残った皮はひしぐ前に37mmをすべて削り取ります。
これが私にとっては、ベストで、今ではこの方法で乾燥させています。
今、「ひしいでいる葦」は4年間の陰干しをしたものです。
(立てて乾燥させている状態)
陰干しが完了したらいよいよ「ひしぎ」に入ります。
私は「ひしぎ」は1度に8本までと決めています。
ひしぎが最も難しいと私は思っております。
DVDやネットで見ると、いとも簡単にひしいでいるように思えますが
私は何度も何度も失敗を繰り返して「もう、だめ。自分にはこの作業は無理だ」
と諦めかけました。
私はセメ止めあたりの厚さを7mm以下と決めていますが
9mm程度まではうまくいっても、そこから割れてしまったり、焦げてしまうのです。
初期の頃は「雨降りはひしぎの日」と決めていました。
ですから、梅雨時はひしぎの絶好のチャンスなのです。
雨降りの湿度が高い中、ランニングシャツ1枚で汗びっしょり
になりながら石油ストーブの前で高温に葦をあぶって「ひしぎ」を行う。
最初、私は文字通りの作業をしていました。
葦を深めに挟む・浅めに挟む。火を強くする・弱くする。外気を入れる・遮断する。
火から遠ざける・近づける。水を多く浸ける・少なく浸ける。
葦を多く動かす・少なく動かす。和紙の貼り方を変える。などなど。
ひしぎのマニュアルを作っていますが、ひしぎのたびに更新でした。(苦笑)
「今回はうまくいった」と思って、リードの先端2mm位のところにひしぎごてを
あててはさんだであぶったところ「ピシッ」と音がして真ん中や側面が割れてしまう。
「うまくいった」と思っても葦が冷めて和紙をはがすと真ん中が割れてしまっている。
何本も割れると、それまでの準備が無駄になるので、途中で嫌になってしまいます。
私は嫌になるとすぐにその作業は打ち切ることにしています。
続けてもうまくはいかないし、材料がもったいないからです。
何週間も何もしない。という状態が続いたこともあります。
もう、自分が情けなくて泣けてきます。
葦が「しゅーしゅー」と音を出すと、まあまあうまく行きますがこの音が
なぜかでないことがあります。原因は今もわかっていません。
「しゅーしゅー」がでないと焦げ付いてしまったり、真ん中が縦に割れて
しまったりするのです。
石油ストーブでひしぎを行うのは私位で、ほとんどの方はカセットコンロで
行っているようです。(もちろん、私もカセットコンロでもやってみました)
もう一度冷静になって自分のやり方を検討し「あそこを、こうしたら、どうか」という
要領をメモして、その後もひしぎに挑戦しました。
実験そのA新しいひしぎ
今は晴れた日に暖をとるために石油ストーブをたいて「ひしぎ」を行います。
(ひしぎが終わった状態のリード=削る前の状態です)
私が考えたのは葦に対して「高湿度」の環境を生み出せれば、晴れた日でも「ひしぎ」は
行えるのではないかということです。
その手法を苦労してあみ出しました。
新手法では葦がひしぎの間中「しゅーしゅー」と大きな音をだします。
新手法でも、もちろん火加減と水加減のバランスが「割れない・こげない」の
ポイントとなります。
新手法で、側面が激しく割れてしまった失敗リードを削って音を確かめてみました。
音はバッチリでしたので、横割れは品質に問題がないのかと、新たな実験テーマが
発生してしまいました。
横割れは「音に影響しない」のではないでしょうか?
新手法で1節目の茎がド太い硬いところも試して見ました。これも成功でした。
私は、1節目・2節目もリードとして使っております。
後述する実験用のリード207本中、1節目が3本、2節目が51本です。
どちらも厚いので削りは大変ですが、音は3・4節目と変わらないと思います。
2節目のリードがエースリードとして君臨していた程です。
1・2節目は、マスコットリードとしても製作しています。
(1節目は鎌を入れるので、なかなか6cmの長さが取れないのです)
ガスコンロやカセットコンロでも妻が留守の間に確認しました。OKでした。
火鉢はないので確認はできていません。
部屋全体を高湿度にしてしまうのは妻が許可してくれません。
この新手法は苦しんであみ出しました。
まだ、公開する気持ちになれません。
ジャンボエンチョーのコルク栓
ひしぐ時に、差込側に木の栓をして温度・湿度が逃げないようにしますが
ジャンボエンチョーにコルクで栓にぴったりのものが販売されています。
20個入っていて128円です。
私はこれを使っていますが、ひしぎ用にあつらえたような寸法です。
マスコットリードにはコルク栓は大きすぎますので、これは木で手作りしています。
(コルク栓)
私のリードの重視点
私が重視している良いリードとは、ひしぎや削り・セメなどにムラがないことです。
音量・音程・音出し時間・音揺れ・音質・高音・低音・塩梅などを1本1本評価して
いろいろと実験をしてみました。
素材はいつ・どこから購入したものか、リードは何年何月何日に製作したものか
何節目のものか、直径、セメ止めのところの厚さ、リード先端の幅など1本1本を
パソコンで管理してリードの評価を積み上げていきました。
また、ひちりきの諸先生にも私のリードを購入していただき(1本目は無料で吹いて
いただきました)、そのご評価をいただきました。
口コミでいろいろな方に販売してきた本数はパソコンで調べると
12名・延べ196本(2014/11/30迄)になります。
ひしぎが終わるとリードの削りに入ります。
切れあじの鋭い小刀でしないと、うまく削れません。
つまり、小刀の研ぎがリードの出来栄えを左右します。
私は、不器用なので小刀の研ぎも下手で、これまで専門業者に委託していた
台所の包丁研ぎを妻からやっと許可してもらったところです。
包丁研ぎは、妻がテレビの料理番組を見ている時に、偶然、私も見ていて
その時の料理プロから学びました。実にラッキーでした。
研ぎ方は、包丁の角度を一定に保って、「斜めに研ぐ」ということでした。
私は、包丁を「真横に研いで」おりましたので、ムラ研ぎになっていたのです。
リードの削りに、サンドペーパーやトクサ(砥草)は用いていません。
すべて刃物を立ててこそいでおります。
ひしいだ葦に対して、ノギスでセメ止めの位置を決めます。
小型のノコギリでほんの少し切れ目を入れて、両サイドから簡単な荒削りを行い
先端を丸く削ります。
私は丸みが大きいのは嫌いなので、好みで小さな丸みを付けています。
セメ止めをどうするかについての実験は次のコーナーでご説明します。
次に、差し込み側から水を与えて専用の竹のヘラでウス皮を取り除きます。
この段階でいわゆる「ぶよ」はわかりますので排除してしまいます。
簡単にウス皮がとれるものもありますが、非常に取りにくいものもあります。
ウス皮は取る必要がないという方もいらっしゃいますが、吹奏途中でウス皮が
はがれて変な音がでてしまうことがありましたので、私は取り除くことにしました。
葦が十分に水を吸い取りますので、先端から徐々に大きく開いてしまいます。
開いたままでは次の削りがやりにくいので、最後に竹製の帽子@をかぶせて乾かします。
実験そのCセメ止めをどう作ればよいか?
この実験は長期間続きました。
最初のうちは、セメ止めをなだらかに削って特に問題意識を持たなかったのですが
その要領だと、セメがしっかりと止まらないで、奥に入り込んでしまうことがあるし
リードの消耗度によって、幾度もセメを変えることになりました。
そこで、いろいろな形状のセメ止めを作って実験を行いました。
音(音量・音程・音出し時間・音揺れ・音質・高音・低音・塩梅)が変わっては
いけないし、リードの消耗が急激に進んで、へたるのでは困るからです。
私は、リード50本程に対して、セメ止めを一気に作って実験を進めました。
2・3・4節目の違いはないか。太い細いの違いはないか。硬い・軟らかいの
違いはないか。など基本的なことを確認するためです。
私は、今ではすべてのリードにセメ止めを作っています。
小さなノコギリで、ほんの少しの切り込みを入れて、その先から削っております。
少しの切り込みで、セメがリードの奥に入り込んでいくことはありません。
セメ止めからリード先端までの長さは17mm以下としています。
ここが長すぎると最低音の双調(そうちょう:G)が低くなってしまいます。
リードの音や寿命は、なだらかに削る方法となんら変わらないと思っています。
セメがきちんと合えば、最後までひとつのセメで済みます。
リードの本格的な削り
竹製の帽子@をかぶせて、リードが乾いた時点で、すでに良く鳴るリードの
初期構造が形成されています。ここから本格的な削りを行います。
竹製帽子@の写真はありません。
リードが、早くここを削れと訴えている感じがします。
どれだけ強くこそいでも(次項)ビクともしません。
「ペンライト」を駆使して、ムラのない削りとします。
削り終わったところで、水をリードの中に通して竹製帽子Aをかぶせます。
この状態から乾かせば良く鳴るリードが成型されています。
販売用のリードは、変色が恐いのでお茶は使っておりません。
伝統的なリードの硬さ調整
前述したように、良いリードとはムラ削りのないリードだと私は思います。
初期の頃はネットで学んだ通り、太陽や蛍光灯にリードをかざしてムラ削りを
なくしていました。
ですが、この方法ではなかなかムラ削りをなくせません。
実験そのD新しいリードの硬さ調整=ペンライトの駆使
私が考案した方法は、100円ショップで購入したペンライトでリードの差込側から
光をあてる方法です。
(ペンライト:直径9mm長さ5cm位のもの:写真右側のもの)
携帯電話の写真ではわかりにくいですが、実際に光をあてると鮮明にムラ削りが
わかります。厚いところは黒く、薄すぎるとリードが透けてしまいます。
また、一部に極端に薄すぎるところがあると、そこは変形してリードに「しわ」ができて
しまいます。
このようなムラ削りが、リードを早くへたらせてしまいます。
試しにご自分のリードに光をあてて見て下さい。
いかに、ひどいムラ削りのリードを使っているか、お解りになると思います。
このペンライト要領は私からリードを購入された方は皆さんがお使いと思います。
東儀兼彦先生のDVD
リードの削りですが、私は、東儀兼彦先生の「篳篥廬舌製作」というDVDを見て
「刃物を立てて斜めにこそぐ」という手法を学びました。
荒削りには最高のテクニックで、思い通りの削りができます。
荒削りといっても、写真5の様に均一な細かいクズとなります。
サンドペーパーでは、写真5のような削りクズはでません。
繊維に沿って縦にこそぐよりも、ムラ削りにはなりにくいと思います。
小刀でセメ止めから先端側に葦を削(そ)いでいく方法は、怖くて私にはできません。
私がやると、左右の削りがムラになったり、縦に割れてしまうこともあると思われます。
荒削りの次の段階から仕上げまでは、繊維に沿って刃物で縦にこそぎます。
兼彦先生のDVDは構成も素晴らしく、いろいろな局面で勉強になりました。
ありがとうございました。
(リード削りのクズ)
伝統的な図紙について
リードの削りが終わった後、リードの差込側の皮を1cm位剥ぎ、和紙を糊で
巻き付けます。
これはなんのために必要なのか?いろいろと検索して調べました。
また、ひちりきの先生にネットから質問をしてみました。
@ひちりきとの接合をきっちり行う。Aひちりきの差し口は楕円になっており
ここに差し込むと楕円がひちりきの差し込みを圧迫してリードの先が開く。
その時に1cm程リードの差し込み側を剥いで図紙を巻いた状態が良く開くこと
につながる。というようなことでした。
私はこのことに疑問を感じ、207本の実験用リードの差込側を削りませんでした。
もちろん、販売用のリードはこれまでの伝統がありますので、差込側を削って糊で図紙
貼り付けております。
私の実験では、葦の皮はツルツルなので、差込側までリード全体をお茶にズボッと
入れると糊がはがれやすくその結果、図紙が上にズレてしまうからの結論に至りました。
(私の実験が間違っているのかも知れません)
昔は差し込み側の皮を剥いでいなかったようです。
リードが長すぎるために音が低く鳴ってしまい、これを図紙で調整できない場合
差込側を切断すれば音が高くなります。
私の実験では1mm切って半音程高くなります。
この時に葦の皮を剥いて和紙を貼り付けてあるよりも、皮がそのまま残してある方が
割れにくいのでのこぎりが使えます。皮が剥いである場合にはサンドペーパーで
短くしますが1mmこすって削るのは大変な労力となります。
実験そのE新しい図紙の要領
私は、実験用リード207本に「糊」は一切使っておりません。
強力両面テープを購入し、これを図紙の最初に4cm位貼り付け、皮を剥いでいない
差込側に貼り付けます。
次いで、図紙を巻いて最後にまた強力両面テープを4cm位貼り付けます。
これによって図紙が上にズレることはありません。
リードがへたってしまって廃棄処分とする時に、強力両面テープを貼らないところは
「糊をつけない」ので、図紙としてそのまま再利用が可能です。
高い音を調整するために、図紙を足すという場合にも両面テープを使用して
済ませてしまいます。
また、強力両面テープは人体無害と表記されているので、身体への心配はありません。
伝統的な方法と、両面テープの方法との「差」を私は感じておりません。
へたったリードは畑に埋めますが、強力両面テープは手で簡単にきれいに取り除けます
糊はカビの素(もと)になるのではないでしょうか?
(強力両面テープ、 両面テープを貼って図紙を巻く前後の状態)
セメには丸籐(まるとう)を使用しますが、これはネットで検索して木内籐材工業様
から購入しました。
とても親切で良心的な会社で55cmの丸籐1本250円(2014年当時)と
消費税+送料で購入しました。満足しているセメの材料です。
私は、セメに使う丸籐は、籐のまま8cmに切った材料と、これを4分割した束を
常備しています。籐を4分割しておくと、よく乾燥すると思っています。
丸籐は作業台を使って8cmに切っております。
丸籐も「ぶよ」はだめです。ナイフの刃を入れると柔らかいのですぐにわかります。
(丸籐を8cmに切った状態)
実験そのF 新しいセメの作り方
ネットの伝統的な手法では「作った籐の帯をリードにぐるりと回し、鉛筆で目印を
書いてセメを作る(つまり、リードに合わせてセメを作る)」のが主流です。
私も、最初はこのように作っておりましたが、この手法は、リードが割れないように
手加減をしますので、どうしてもセメがゆるめに作られてしまいます。
私は、伝統的な手法をやめることにしました。
私は、セメを作る時に一切鉛筆を使っていません。
手間がかかるからではなく、鉛筆で目印を書く方が、誤差を生じるからです。
4分割した丸籐を巾2mmの四角形の帯状にしてからセメを作っております。
最初のうちは、市販のセメを真似しておりましたので、籐を台形の帯状にして
おりましたが、リードとの接地面積が四角形の方が、広くなる(セメ本来の機能UP)
と、作ったセメの見た目が美しいことから四角形に直しました。
(マスコットリードは昔の製作なのですべて台形の帯状から作っています)
作成の要領は帯の真ん中に折り目のためのVカットを入れ、左右の20mm〜22mm
ほどに、たたみ用の込み用の切り込みを入れ、しばる側を少し削ってから、太い丸棒で
丸みを付けてセメを作っています。
(丸籐を4分割してから真セメの完成迄)
この時に丸みを入れた帯の内側に「しわ」ができてしまうのも「ぶよ」です。
柔らかいのでセメにはなりません。
また、できあがったセメを手で狭めてみて、簡単に狭くなってしまうのも使えません。
つまり、個人的にはカチカチに硬いセメほど良いと思っています。
「ぶよ」も火であぶればカチカチに硬くなることは実験でわかっていますが
こげて見た目が悪くなるので捨てています。
最後に、刃ヤスリで赤糸を通す溝を掘ってから、赤糸でしばれば完成です。
私は、この要領で左右の20mm〜22mmの間を0.5mm単位に調整して
セメを大量に作り溜めをしており、この中からリードにキチキチに合うものを
選んで装着しています。
(7月上旬に納品したリードの中央に作り溜めした大量のセメ
の一部を掲載しています)
大量に作り溜めしたセメの丸みはあまり大きく作らないので、丸棒で左右対称に
なるように広げてから使用しています。
リードが1mmほど開くようにセメを広げています。
セメは狭めるよりも、広げる方が微調整をしやすいと思っています。
結果として、この作り方の方が、セメを取り替える「ムラ」が減ると思っています。
(セメを広げる丸棒)
実は、私はセメを作るのが苦手でした。
4分割した丸籐を巾2mmの四角形の帯状にするのがうまくいかないのです。
セメと言えども美しくなければなりません。
最近、やっとこの帯状がきれいに削れるようになり12分(実測値)でセメが
1個完成するようになりました。
最近になって、やっとセメ作りが気にならなくなりました。
次の写真は作り溜めしたセメと四角形の帯状のものです。
2016年7月に実験用に使っているリードのセメを「台形の帯状の削り」
のものから「四角形の帯状の削り」のものにすべて交換いたしました。
少し「ゆるめ」のセメを「きつめ」に交換して丸棒で微調整して実験を
進めていくことにしました。
この結果、音の横揺れや音程が一定になってきていると感じています。
セメの削り「くず」は、細かい方が良いと思います。
ナイフの刃先で力を入れずに削ると以下の写真のような細かい「くず」になります。
この写真で8本分の「くず」です。
右側に写っているのは2mmに削った四角の帯状の丸籐です。
帽子はセメと違って割りと気にしない人が、多いではないでしょうか?
ですが、実は非常に重要なのです。
吹き終わるとリードに帽子をかぶせますが、その時にリードには十分な湿気があります。
この湿気が乾いていきますが、その帽子の彫りの形状に、リードが合わされてしまう
のです。帽子の製作者は、そんな事はおかまいなしなので、同じ幅でたったの6mm位
の彫りの深さで浅い檜の帽子を作って平気なのです。
極端な場合には、平たい形状の彫りのままでリードが乾いてしまい、リードが膨ら
まないので塩梅が吹けないというケースさえありました。
逆に、硬くて良く鳴らなかったリードが、帽子をかぶせておいたら突然吹きやすく
なったという経験があります。
それは帽子の形状が合っていた。ということだと思われます。
たかが帽子といいますが、リードの「エース級」を「控え」に降格させ、逆に「控え」を
「エース級」に昇格させる機能を備えているので、あなどれません。
ネットに帽子は檜(ひのき)をペンチで挟んで彫刻刀で5〜6分をかければ作れると
ありますが、私が不器用なせいか1時間彫ってもいいものができません。
彫りの形状の左右対称や、帽子の底がうまく平らに削られているのか自信が持てません。
電動ノミが作れればよいのですが、製作図面を印刷してジャンボエンチョーのプロの方に
相談しても、よくわからないということで、私は断念しました。
余談ですが、檜の帽子は底抜けではありません。ですから練習が終わったリードに帽子を
かぶせると唾液(だえき)がたくさん付いた状態でそのまま乾かすことになります。
つまり、通気孔がないので空気が通わないのです。
梅雨時にはリードにカビが生えてくることもあるのではないでしょうか?
何か不潔の感じがしますが私だけでしょうか?
これらの事から私は以下の竹製の帽子を作ることにしました。
実験そのG新しい竹製帽子
帽子の彫りが、音響工学的に有利な形状で作られていればどうでしょうか?
どういう息の流れでリードが振動して音が鳴り始めるのか。を考えるべきであると
思うのです。
そうすれば、帽子の中でリードが乾く間に自然に次の演奏に有利な形状にリード自体が
整えられていくことになります。
リードの中央部をどう削るかも重要ですが、私はリードの側面が鋭角(菱形)か
鈍角(楕円)かが最も重要と考えております。
鈍角に作られてしまったリードは音程や音量が不安定になるように思われます。
私は檜の帽子の経験と、これらのことを考慮して独自の竹製の帽子Aを製作しました。
論理的ではありませんが、実験では、練習後にこの帽子をかぶせて乾かすとリードの
成型が進むので良くなるような感じがしています。
また、リードの側面が割れてきてしまったものは、今までに1本もありません。
(もともと、ひしぎで割れたものはリードとして売れませんので自分で使っております)
私の感覚ですが、吹き始めはやわらかく、お茶を中に流し込むと、次第に硬くなっていく
感じを持っています。
リードの先が唾液で貼り付いてしまうことはありませんので檜の帽子よりも良い状態が
長続きするように思われます。
竹製の帽子は以下の写真のように、新品のものを予備としていますが「あっと言う間」に
売り切れてしまいます。
私は両手にマメやタコを作りながら毎日のように竹製の帽子を作っています。
実際に皆さんも作られたらわかりますが、竹製の帽子は大変な労力が必要なのです。
写真 : 新品の竹製帽子 予備
実験そのHリードの扱い
上級者の使いふるしはどんどん貰うべきです。できればセメも同時に貰いたいのです。
「上級者が捨てるには惜しい」と考えるリードは「良く鳴ってくれた」という
エース級なのです。これはいただく側から声に出して予約しておかないといただけません。
上級者が口をつけたリードだから「あげる」とは言いにくいからです。
いただいたリードは吹くのではなく、詰まっているノウハウが大事です。
ですから「前述したペンライト」と「ノギス」で徹底的に分析すべきであろうと思います。
直径は? セメ止めの厚さは? リード先端の巾は? どこを主として削っているか?
肉厚は? セメとリード側面の間隔は? 削りムラは? などなど。
セメもいただけた場合には、これも解体します。
セメの肉厚は? セメの巾は? セメの真ん中Xの深さや彫りの巾は? などなど。
目分量ではなく実測してメモ紙に図を書いて残しておきましょう。
こんなに良いお手本はネットには掲載されていません。上級者も教えてはくれません。
私は、東儀秀樹さんの「使いふるし」がほしくてたまりませんが手に入りません。
お茶をくぐらせると、渋(タンニン)が繊維に入り込んで色が茶褐色になる。
そうなると渋が繊維を強くするので硬い音がでる。という説があります。
吹く前にリードをお茶にくぐらせると良いようです。
私の実験では、硬すぎるリードのデメリットは勝絶(しょうぜつ=F)から平調・壱越
(ひょうじょう=E・いちこつ=D)などに音を戻すのが難しいし
最高音の黄鐘(おうしき=A)が低くなりがちです。
高い黄鐘を目一杯に高く吹きますと「キーン」と耳にきますし、隣の龍笛の人との
音量・音程のバランスがとれないと思えます。
また、低い双調がかすれて音程がしっかり定まらない場合もあるように思います。
私は、最低でも音出し10秒は続く、気持ちの良いリードで練習すべきであると思って
います。
そのうちに顎(あご)が強くなり、次第に硬いリードを求めるようになると思います。
実験そのIリードの開かせ方
リードを開かせるには私はセメをはずしてリードの差込側から冷めたお茶を
スポイト(100円ショップ)で流し込みます。
リードを丸ごとお茶にズボッとは浸けません。
スポイトを使うとごく少量のお茶で、リードにくぐらせることができます。
スポイトを購入する以前は、私はストローか小さじでお茶を流し込んでいました。
販売するリードは、お茶で変色するのが嫌なので水で済ませています。
あとは駐車場に着けば、その時点でリードは開いていますので、リードの実験準備
完了となります。
リードをお茶をズボッと入れてしまうと、前述したようにリードのへたりが
早いように思います。
スポイトでお茶を流し込む方法はリードが茶色に変色するのも防止すると思います。
また、練習を終えたときにリードの両面およびセメをティッシュで軽くふき
取っておくこともよろしいと思います。
リードの両面やセメに唇の皮がこびりついて次の練習に差し支えるのを防ぎます。
そういえば、東儀秀樹さんの演奏会でお茶をくぐらせているのを見た事がありません。
吹く前にリードが開いているか確認しているのも見たことがありません。
ネットで拝見した、リスニングルーム訪問というTV番組でも、いきなり開いている
リードでソフトな音をだされました。
きっと事前にしっかりとお茶にくぐらせて、音楽に集中できるからだろうと想像して
います。
また、スペアリードも見たことがありません。ポケットに忍ばせているのでしょうか?
私は207本の実験用のリード(お金に換算すると約50万円分)を毎回取り替えて
います。同じリードを次回も続けて吹くことはありません。
つまり、吹き終わったリードの年月日をパソコンに書き込み1巡したら再度そのリード
を使うというやり方です。ですから、まだ2008年製作のものも3本残っています。
当然、リードの太さはバラバラです。
中には音出し10秒程の硬いリードもありますが、顎(あご)を強くするために削ら
ないでそのまま使っています。
音出し10秒に満たないものは、少し削って調整しています。
リードを購入していた時には、1本1本をそれこそ吹き尽くすという感じでした。
リードがへたって貼りついたものを、サンドペーパーで先端を削り取って
再度使うというようなこともやっていました。
人様に演奏を聞いていただく時のために、エースリードも確保していました。
ところが自分で作るようになると、リードの実験・実験の繰り返しですから
毎回リードを取り替えていくことになります。
「ここをこうしたらどうか?」ということを思いつくと、早く吹いて見たいという
気持ちでワクワクしてしまいます。
実験は成功ばかりではないので失敗分は細く割って畑に埋めています。
市販のリードを2500円/1本で購入していたら、私のようなバカな実験はでき
なかったであろうと思っています。
2016年7月に2008年(初期)に製作したリードを「ペンライト」で
差込側から光をあてて見ました。
初期のリード削りはひどいもので「これで、よく音がでているなあ」と感心して
しまいました。
9年も作り続けていると「リードの削りが上達」しているのが自分でよく
わかりました。
リードの保存(竹炭)
この実験用207本をしまっておくと、小バエがそのまわりを1匹飛んでいました。
そこで竹炭をその近くに置いたところ、まったく小バエは見られなくなりました。
もう5年ほど経過しています。
これは虫除けに有効であるとひちりきのリードのみならず、笙のケースの中にも竹炭を
いれております。
試し吹きの件
私は、販売用のリードを作ったときに「試し吹き」をいたしません。
ペンライトによるリードの光具合と「今までの勘」でなんとか硬さが
わかるからです。
それと、おかしな話ですが一度吹いて良い音がでると、そのリードを
手放したくなくなってしまうからです。
それに、吹くのは私ではなく、購入された方がそのリードがあっているかどうか
良く鳴るかを判定されるからです。
まっさらのリードを、ひちりきにさわったこともない人に吹いてもらう実験をしました。
指押さえをまったくしないで、ただ単にひちりきを右手に持って息をいれる要領です。
ひちりきは見事に大きな音を出しました。成功でした。
マスコットリードの最後の仕上げにサンドペーパーを用います。
吹くリードに用いないのは、葦の繊維を傷めてしまうのではないか。がその理由です。
4角に切ってサンドペーパーをこすると、思ったところ以外を削ってしまったり
サンドペーパーを満遍なくこすりこなすことができませんでした。
思ったところ以外をこする削りムラができてしまいます。
こすっている範囲が明確になり、使い切るために、考えたサンドペーパーの
使い方を次の項として載せることにしました。
丸棒に6mm程の細さに切ったサンドペーパーを、輪ゴムで固定し先の部分で
こすりを行います。
こすれなくなったら5mmほどずらして再度輪ゴムでとめます。
こうすれば、常に新品のサンドペーパーでこすれますし、細かな範囲を
目で確認しながらこすることができます。
(サンドペーパーを輪ゴムで止めた状態と使い終わった状態)
マスコットリードの製作
鵜殿(うどの)ヨシ原研究所所長の小山弘道先生のお話をネットでお聞きし
鵜殿の葦が高速道路建設により大ピンチあることを知りました。
そこで、ひちりきのリードに適さない細い葦についても、もったいないので
マスコットリードとして製作しました。これも約300個製作しました。
(マスコットリード1個、 マスコットリード約300個分)
マスコットリードといっても手を抜いておりません。
ひしぎの長さが22mmしかとれませんので、音を出すリードよりもひしぎは難しいのです。
形状は私が考案しました。どなたが作られても結構です。
かなりの手間がかかるので採算は合いません。
私は車のキーホルダーに使っておりますが、3年経ってもなんともありません。
頑丈な出来映えです。
今では、マスコットリード製作が演奏用リード製作の、良き練習台になったと思って
おります。
天理市に本拠地のある神具店の「たなかや」さんを、ネットで拝見しました。
社長の細田様が対応なされていましたが、ひちりき・龍笛のプラスチック管は
「たなかや」さんが開発されたのだそうです。
5〜7千円で自前の楽器を持てるというのは、他の木管管楽器ではありません。
途中でやめてしまっても、この程度であれば後悔しないと思います。
雅楽のすそ野を大きく広げた功績があると思います。
プラスチック管はその後も進化し続け、4〜5世代も改良が進んでいるようです。
その後、この件をお伺いする機会があり、細田様から「開発は、いろいろな
雅楽関係者のご指導・ご協力・ご意見があったからこそ、現在に至りました。
私どもは、先生方の熱い思い、素晴らしいアイデアをそのまま、少しづつ形に変えて
いったにすぎません」と自社についての補足があり、印象に残りました。
また、笙の保温器も「たなかや」さんが開発なされたそうです。
高価な笙を5日間保温して、問題がないかを判断なされたそうです。
保温器に入れっぱなしがあることを想定されて、サーモスタットがどのように機能
するのかを、事前に調査・分析(実験)なされたということです。
私はひちりき・龍笛・笙を持ち替えますので、笙を使わない時はその間保温しています
大変ありがたいです。
プラスチック製の笙の見本もありましたが、17本の金型を作ると採算があわないそうで
開発を断念されたそうです。
私は、プラスチック製の笙の音を聴いて見たいなあと思いました。
雅楽をいろいろな形で支援なさっている「たなかや」さんは、すごいと感謝しています。
私のひちりき上達への取り組み方
私がひちりき上達のために考えている取り組み方をまとめてみました。
一向に上達していませんので要領が悪いと思います。
先生についていらっしゃる方や先輩から教わっていらっしゃる方は
無視して下さい。
私は、女性歌手の「森山良子」さんの歌声が好きですが、あれは天性の
ものだと思っていました。
あるテレビ番組で森山良子さんが「中学生の頃から今でも声楽の先生のところ
に毎週通って発声の基礎を学んでいる」とのお話をお聞きし、びっくりしました。
素晴らしい天性をお持ちのプロが今もなお努力を続けられていることに
驚いたのです。
何の天性もない、60歳から独学で始めた私が上達しないのは仕方がありません。
ひちりきも龍笛もとても音程や音色が不安定で、笙もリズムが不安定なのです。
とても東儀秀樹さんの音には近づけませんが、少しでもひちりき本来の音がだせる
ように基礎を続けてみようと考えるようになりました。
このように考えられたのは森山良子さんのお陰です。
以下、唯一、Eの練習法は中村仁美プロが演奏会でご披露なされた技法なので
効果があると思っています(私は、まだできていませんが)。
@リードの先端が約1mm開いた状態で吹くこと。
閉じていると塩梅(えんばい:*1)は吹けないし、逆に、開きすぎていると
リードは硬くなってしまいます。
*1 塩梅とは
雅楽では「あんばい」ではなく「えんばい」と読みます。
篳篥の奏法で指の押さえ方を変えずに、唇の位置や強さを加減することで、音程に幅を
持たせて旋律進行を滑らかにすることを言います。
一般的には、料理での塩と梅酢の加減のことを「あんばい」といい、物事の具合や
様子また、程よい加減の時に用いられます。
また、ひちりきの指孔を変えずに律を下げて吹くことを「メリ」とも言い、正律で
力強く吹くことを「ハリ」とも言います。
この「メリ」と「ハリ」は「メリハリが利く」の語源にもなっています。
A指押さえを重視すること。
穴から少しでも空気が漏れると、とんでもない音がでてしまいます。
私は、ネットで東儀秀樹さんの映像を何度も見て、左右の人差指〜小指までを
真似して指押さえを覚えました。また、湯上りに両手ですべての穴をふさぎ
ひちりきの先を太ももにあてて息漏れを確認しました。
穴からの息漏れは龍笛も同じ、いや、龍笛は太いのでもっと穴ふさぎがシビアだと
思います。
どうしたら東儀さんのような良い音が出せるのでしょう。
口やあごのまわりをみていろいろと真似をしてみました。
朝倉音取りやイマジン(雅楽ではありません)のアドリブなど、どれもが最高です
(ネットではなくCDです)。
東儀さんは、雅楽ではあの素敵なビブラートを使っていません。
使う・使わないのどちらもできる技術をお持ちなのです。
私が車の運転中に東儀さんのCDを流していたところ、同乗していた姉がそのCDを
ほしいというのであげました。
すると、そのCDを聴きながら孫(女の子)が眠りにつくというのです。
姉も「聴いていると、とてもおだやかな気持ちになる」といっておりました。
清少納言も東儀さんの演奏を聴けば「くつわ虫ではなく*2、鈴虫以上」の音色が
聴けたのになあと思います。
*2 清少納言のひちりき評。
「篳篥は、いとかしましく、秋の虫を言はば、轡虫(くつわむし)などの
ここちしてたてけ近く聞かまほしからず」(『枕草子』)。
清少納言は、気持ちの良い篳篥の音を聴いたことがなかったように思われます。
いくら真似をしても、到底あのような感じの良いソフトな音は出せません。
ソフトな中に芯がしっかりした琴線に触れる音だと思います。
東儀さんが、東日本大震災の慰問演奏をなされているのをBSプレミアムで
拝聴しました。
「ふるさと」の演奏の時に何人もが涙を流されて聴き入っていました。
東儀さんの唱歌や童謡の演奏は聴く人の胸に「ジーン」と響きます。
雅楽に興味のない方も、是非、東儀さんの「ひちりき」を聴いてほしいなあ。
と思っております。
Bチューナーで音程を調べること。
一般の楽器は440ヘルツですが、雅楽は430ヘルツなのでチューナーで
ここを確認しながら音程を確認しています。
六の音(壱越:いちこつ:Dの音) を中心にいろいろな音を確認し
針がまっすぐ真上を指すように音を出すことを心がけます。
なかなかピタっと真上には針が止まりません。
そのためにはロングトーン(ひとつの音を長く伸ばす)が大切と思っています。
ロングトーンに即効性はありません。
ボクシングのボディブローのように、じわじわと後で効いてくると考えています。
C呼吸は「腹式呼吸法」とされています。私は、これができているのか
できていないのか判断できておりません。
歌う声が腹からでていませんので、たぶん、できていないのだろうと思います。
中村明一さんという尺八の奏者の方が「密息で身体が変わる」(新潮選書)という
本を出版され、私はこれを購入して自家用車の後部座席でいろいろと実験を
して見ました。
この呼吸法は「腹式呼吸法の上」をいくもので、中村さんは尺八の音が
とても長く続くのです。
私は、中村さんの実演写真を元に形が異なるクッションをいくつか購入して
基本から挑戦しました。
3ヶ月程経過したら腰が痛くなり、妻からは「もう歳なんだから、いい加減にして!」
と叱られて、残念ながら断念しました。
恐らく、私が取り組みの手法を間違えていたのだろうと思っています。
D塩梅ですが、ひちりきのくわえを前に出す方法がありますが、この方法は
使っておりません。
なぜなら、メった音(低くした音)をさらにメル必要がすぐに出てくるからです。
(前に出す方法のみでは、ひちりきが口から抜けてしまいます:笑)
ネットでいろいろな先生がお手本を吹いていらっしゃるので、なるべく口の形を
変えるやり方で塩梅の要領を習得しようと思っています。
E中村仁美さんのコンサートで六(壱越=Dの指)の指押さえのみで1度づつ音を
下げていき、逆に六の音から1度上げるという実演がありました。
1度づつ音を下げていく、中村仁美さんの音程は見事でした。
私は、これは良い練習になると思い、今も真似をしております。
私は、半音づつ下げて鸞鏡(らんけい:A#)まで、上は右手薬指を少し開けて
断金(たんぎん:D#)までがやっとです。
私の場合は、音程が微妙です。
Fクラリネットやサキソフォンのような舌を使わないで、唇全体で音を切るように
すること。これを「あて」とすること。
これができれば、ひちりき独特の、聴きここちの良い短い音が出るようになると
思っています。
ネットで、ひちりきの名人が沙陀調(さだちょう)の音取り(ねとり)を吹いて
いらっしゃいます。
ここで、この短い音や勝絶(しょうぜつ:F)や、前述した塩梅を聴くことができます。
「雅楽三管の紹介」でネット検索すれば聴くことができます。
名人は、さりげなく演奏されていますが、私の実験では非常に難しい技術で
どこをどのようにすればできるのか。思うように上達していないのが現実です。
さらに、すごいのはプロの合奏では、あえてこの「短い音」を控え目にして
龍笛との音合わせやリズムを、大切になさっているように思われることです。
G自分が、次にはこの音を出したいと常に音程をイメージして曲を吹奏しようと
思っています。
以前、ピアノの調律師であるTM氏の講演をお聞きしたとき
「完全倍音は人間の耳には不快に聞こえる。高い音は高めに、低い音は低めに
とらないと、良いピアノの調律とは言えない。つまり、オシロスコープで
作った音程は人間にはここち良い音楽にならないのです」
とおっしゃっていました。私は、ひちりきも高い音は高めに、低い音は低めに吹く
と人間にはここち良く聞こえるのではなか、と考えたわけです。
(まったくできていません)
自分の中だけでも、リードの規格化を進めていこうと「マニュアル」を作りました。
抽象的な表現を避け、なるべく数値化して製作の均一化をはかっていこうと思って
まとめました。
葦の太さ、リードの長さ、皮の剥き幅、セメ止め真後ろのリードの厚さ、先端までの長さ
先端の巾、ひしぎの要領セメの巾、セメの寸法、帽子の寸法などを手順や技法とともに
許容数値を「マニュアル」としてパソコンで編集したものです。
リードの標準化促進について
雅楽は、1400年もの歴史があると言われておりますが、リードに関する標準化は
遅れていると思います。
クラリネットやサキソフォンのリードは、機械化が進み「ハード・ミディアム・ソフト」
といろいろな硬さを奏者が選択できるし、先端からの長さや厚さがどこのメーカーを
選んでも統一されているのです。
ですから、あたり・はずれが少ないと思います。
ひちりきのリードも、少しでもあたり・はずれがないように基準を作っていくべき
だと思います。
車中の実験についてメリット・デメリツト
最初も申し上げましたが、私は、誰もいない公営の無料駐車場でリードの実験を
しております。
そのメリットは@誰も聞いていないのでどんなに下手な演奏でも変な音でも
人目を気にすることはありません。
A難しいフレーズは自分が納得できるまで繰り返し実験することができます。
B上級者の足を引っ張ることはありません。
C気が乗らない日はあっさりと終われます。
デメリットは@誤りを上級者から指摘されません。
A途中で間違いに気がつくと、正しくしようとして演奏がそこで途切れてしまい
なかなか最後まで辿(たど)りつけません。
B合奏はできませんのでリズムや音程はつかめません。
C競う相手がいないので刺激がありません。
笙の練習を始めて6年になります。
笙は温める必要がありますので、家の中でしか吹くことができません。
妻から許可を貰って、月に3回、各々15分間の音だしをさせてもらっています。
この楽器は、それほど大きな音ではないので、ご近所に迷惑とはなりません。
音だしができない日は、いろいろな曲を黙々と指押さえのみを行っています。
実験でわかったことは、指押さえのみで合竹はブラインドタッチになりますが、
1拍目から4拍目に向けて音を大きくしていくことや「インジャー」などは
音をださないと自信が持てないということです。
笙の練習によってよかった点は、4拍目が長いという雅楽独特のリズムが自然に
「インジャー」によって徐々に体に馴染んできた事です。
雅楽の先生に伺えば、まだもの足りないと言われるかも知れませんが、確実に
メトロノームからは、離れたリズムになってきています。
最近、いろいろな笙のプロの方が乞〜千(こつ:A から せん:F#)
千〜乞へと15音のスケールを実演されているのを見つけ
これは良い練習になると思い、15音のスケールの指押さえを毎回行うように
しました。
音出し可能な日に私が15音のスケールを吹いたところ
妻から「どこかから、たどたどしいピアニカの音が聞こえてくると思ったら
うちだったわ!」と笑われて、このサイトで笙の15音の録音をとるのを
やめました(苦笑)。
15音のスケールは、音を一定の大きさと長さにするのが大変(特に高音)なのです。
プロの方のオリジナル演奏は難解すぎて私にはまったく歯が立ちません。
龍笛の練習を始めて4年強になります。まともな音がでていません。
少し指押さえがよくなってきたかなあ。という段階です。私は左右の薬指の
動きがにぶいので、この指からの息漏れがなかなか直りません。
ネットで龍笛の名人が、いろいろな曲を模範演奏なされております。
いろいろな雅楽を聴かせていただくと、龍笛の音色に艶があり深みがあるのがわかります。
どうしたらあのようにまっすぐで澄んだ音が出せるのか?
何歳からどのような練習をなされたのでしょう。
ネットで龍笛の吹き方を検索すると抽象的な表現が多く、禅問答を読んでいるようで
解釈がとても難しいです。
例えば「縁側に龍笛が転がっていて、そこへ風が吹いてきたら龍笛が共鳴し
様々な響きを勝手に発する」という吹き方など、私にはイメージがわいて
きません。
龍笛が未熟なせいか。感性が乏しいせいか。それすらもわかりません。
私は、どうしたら高音をしぼれるか。しぼってもまともな音がだせるか。
具体的な口の動きや歌口の向きを実験したいのですが・・・・・?
私は、龍笛の音がもう少しまともになったら、最初の実験は「音揺れ」を
どう抑えていくかについて考えてみるつもりです。
ひちりきも同じように「音揺れ」がひどいのです。
まあ、この歳では最後までわからず終い(じまい)のようにも思っております。
余談ですが、龍笛に比べるとひちりきの方は、ネットでの雅楽の模範演奏が少ないです。
雅楽ひちりきのネットが実に寂しい限りです。
唱歌(しょうが)とは・・・・・雅楽は元来、口伝により継承されていました。
今では、雅楽の譜本の中にカタカナの記述があり、それを右の膝を右手でたたきながら
一定の規則に従って声に出して唄います。これを唱歌(しょうが)と言います。
中・夕・⊥・六などの記号が、その左に書かれていますが、それが楽器で演奏する音階に
なります。この記号を本譜といいます。
本譜は龍笛、篳篥、笙など楽器によって異なります。
カナ譜を唄うことによって演奏する旋律を正しく覚えていきます。
下にあるのは龍笛の譜本です。膝をたたいて拍子を刻みながら声に出して唄います。
小さな黒丸が鐘で、大きな黒丸が大太鼓を打ちます。
私の唱歌(ひちりき、龍笛)
雅楽は、唱歌がもっとも大切である。
唱歌がうまくできなければ、うまい雅楽の演奏はできない。これが雅楽演奏の定説です。
唱歌を教えてくれる先生のいない、音痴の私はどうすればよいのでしょう?
雅楽を始めた当初は途方にくれました。
一時は雅楽をあきらめようとも思いました。
音感から唱歌を導く
悩んでも仕方がないので、自分の音感に頼って、自分用のひちりき・龍笛の譜面を作り
これに譜本から仮名譜を写すやり方で、いろいろな曲を実験してみようと思いたちました。
つまり、生徒が唱歌で教わるところを、私は演奏を聞いて、逆に本譜を補完して自分専用
の楽譜を作っていくことにしたのです。
補完すべきは以下のような所です。
補完@譜本は同じ音が続く場合、その本譜を書かないで省略しています。
例えばひちりき・壱越調・酒胡子(15ページ)の場合「チイリイ。タアリイ」の中で
本譜が書いてあるのは最初のチに六(リク:D)、リにT(テイ:A)、タに一
(イツ:F#)リにT(テイ:A)が書いてあるのみです。
あとは空白なので、さも書かれているように頭の中で補完をしなければなりません。
龍笛も同じです。
補完A半音や塩梅、小さなあて、経過音などは示されていないことがあります。
これらを補完しなければなりません。
補完B延べ切り、あて切りは書かれていません。
延べ切り、あて切りの線を自分で区別して補完しなければなりません。
補完C龍笛の場合、ふくら=低い音(和)と、せめ=高い音(責)が
すべてのフレーズであきらかになっていると言うことではありません。
不明な箇所はこれを補完しなければなりません。
補完D早只拍子の場合、5文字の時は最後の文字を2拍とし
6文字の時には5・6文字目を各1拍としなければなりません。
この曲を夜多羅拍子(やたらびょうし:2/4拍+3/4拍)で
演奏する場合は、抜く音を判断しなければなりません。
つまり、5拍子で演奏します。
1000年以上も前に5拍子を作られ、ひちりきと龍笛が1度の音程をぶつけ合う
(不協和音)ことも雅楽は平気で行っています。驚きの連続です。
(夜多羅拍子の抜頭は、私が持っている天理教道友社の譜本には掲載がありません。
夜多羅拍子(注3)は別売りで譜本があるようです)
注3)夜多羅から八多羅滅多羅(やたらめったら)という言葉が生まれたそうです。
リズムが合わずめちゃくちゃで大袈裟な身振りや様を指す言葉だそうです。
補完Eひちりきの譜本に龍笛との「かけ吹き」が書かれておりません。
また、龍笛の音頭が書かれておりません。
補完Fひちりきと龍笛と同じ音程が多くありますが、同じ音程か
どうかはどちらの譜本でもわかりません。
補完G 「止め」はひちりき、龍笛、笙ともに書かれておりません。
唱歌のマイナス面について
自分専用の楽譜を作っていくうちに、唱歌で覚えるマイナス面もあるように
個人的には思いました。
例えば@師匠が補完をすべて唱歌で教えますが「師匠の技量」に演奏の正誤が
大きく左右されると思われます。
師匠の技量が劣っている場合には、誤ったフレーズやリズムや吹き方を身に付けて
しまうのではないでしょうか。
怖いのは間違えて覚えてしまった人が、次の弟子にそのまま教えるなど
どんどんと誤りが、勝手に増殖していくことだと思います。
例えば、越殿樂を師匠が「チーイーイ ラーアーア ロ・オオルーロ」のように
リズムを刻んで教えれば演奏にもその癖(くせ)が残ってしまうような気がします。
Aアマチュアが壱越調を3ヶ月間練習して次に黄鐘調に移るとします。
するとどうでしょう。3ヶ月も経つと黄鐘調のどこを、どのように補完したらよいのか
忘れてしまいます。
唱歌で思い出すしかありません。
Bこれは、譜本製作者へのお願いになりますが、自分専用の楽譜で唄ってみた印象では
勝絶(しょうぜつ=F)と下無(しもむ=F#)、壱越(壱越=D)と上無
(かみむ=C#)と神仙(しんせん=C)などが正しく判断できているのか。
いつまでも不安が残ってしまいます。
個人的には半音や塩梅、小さなあて、経過音など。少しでもきちんとした正解を譜本に
書いていただきたいなあと願っております。
自分専用の雅楽の楽譜(ひちりき、龍笛)
楽譜は、5線譜ではありません。5線譜でも作って見ましたが、雅楽独特の旋律は
表現しきれません。5線譜では半音を#、bで表現しますが雅楽は半音どころか
3/4音が平気ででてきます。これは、オタマジャクシでは表現できません。
私は、本譜の色分けや↑、↓などの記号で半音や3/4音を表現し、雅楽の楽器の
記号に忠実な楽譜で作りました。
大きさはひちりき・龍笛がB5の横型です。
道友社の教則に「何行目」からという指導がありますので楽譜に譜本の「行数」を
入れました。
譜面は横に読んでいきます。縦も試して見ましたが音の流れを覚えるのには
横が良いと私は判断しました。
例えば、龍笛・双調・文鳥(ページ79)の6行目の最初などは譜本でみると
難しいですが補完した雅楽の音符を自己流譜面で横に並べていくと簡潔になります。
(個人的には唱歌も唄いやすいと思います)
補完EFGも自分専用の楽譜ではわかるようにしました。
私が手作りした譜面を平調・鶏徳で龍笛&篳篥を並べて2行目を掲載させていただきます。
(1015/04/28)
*
枠の中の薄い水色の背景は表拍子(2拍)を表します。
*
枠の中が無色のところは裏拍子(2拍)を表します。
*
枠内の黒点(・)は休符を意味します。つまり、あて切り・延べ切りを明確にします。
*
枠の下線が太いところは龍笛・ひちりきと音程・リズムが合致することを意味します。
*
赤字は半音下げることを意味します。
*
ひちりきの↓は塩梅を意味します。龍笛は折り指を意味します。
*
↑はメリ上がり(すこしづつ音を上げていく)を意味します。
*
龍笛のカタカナはセメを示し、ドレは「⊥六の指押さえ」を意味します。
*
龍笛のひらがなは和を示し、しらそふぁみれどは「中夕五テ六⊥の指押さえ」を意味します。
*
ひちりきの枠上の六は龍笛とのかけ吹きを意味します。
また、譜面の余白にはその曲がどういう経緯で作られたのか。
どういう時に演奏されるのか。等、ネットで調べた曲の概要を掲載しています。
笙の楽譜
笙はB6の横型です。これも譜面は横に読んでいきます。
以下が私の作った笙の譜面です。
早只拍子の場合は2/4拍分と4/4拍分の色を交互に変えています。
夜多羅拍子(やたらびょうし)は1曲としています。
譜面はすべてパソコンで作っておりますので「字体」は江戸勘亭流体で統一しています。
プロの方の笙の唱歌
プロの方の盤渉調越天樂の唱歌をCDで聴いてみました。
その方は譜面通りには唄っていませんでした。
ひちりきの旋律に近いと思います。
また、演奏も唱歌通りには、していないと思いました。
たぶん、変換をしながら演奏をしているのだろうと、私は想像いたしました。
この唱歌は暗記しないと、私にはとても唄えません。
もし、一時的に覚えたとしても譜面を見てすぐには思いだせないように
思います。インジャーも明快にはわかりませんでした。
私の笙の唱歌
先生のいない私は正式な笙の唱歌をあきらめるしかありません。
そこで、私は笙の唱歌を次のように考えてみました。
すごく単純に唄うことにしました。(間違っていると思います)
@
上の黒点は大太鼓を示します。
A
二重の縦の赤線は合奏の入り口と止めを示します。
B
合竹の根音*をドレミの音階で行うこと。ベースと同じ役割と考えること。
C
唱歌の通りに演奏ができること。
D
他の楽器との合奏に支障がないこと。
E
初見が効くこと。どの曲でも作った譜面で唄えること。
F
暗譜がやりやすいこと。(唱歌を行わないと暗譜はやりにくいと思います)
G
インジャーの習得ができること。(次の合竹が判ること)
H
同じ合竹が続く場合もインジャーを入れること。
I
同じ合竹が続く場合には根音の穴ふさぎをし直すこと。
J
穴をふさぎっ放しで次の合竹に移る時に、根音の穴のふさぎ直しを譜面で示すこと。
(2行目7拍目の几から乙に移るときに赤丸の囲いがあります。
これは乙の音をふさぎっ放しなので、乙の音をふさぎ直しが必要であることを
意味しています。Hと同じです。インジャーを強調するためです)
音痴ですが、笙の唱歌を「Youtube」で聞くことができます。
先生に教わっていないので、独断で勝手に唄っているものです。
*根音:根音とは、文字通り和音の根となる音、つまり、和音の
中心となる音です。
ドミソなら「ド」、ファラドなら「ファ」です。
私は穴ふさぎの「一竹の音」を自分では根音と呼ぶことにしました。
下手ですが、笙・龍笛・篳篥ともに「Youtube」にて聞くことができます。
2014年末以来、再度、2016年末に「太食調の音取り(たいしきちょうの
ねとり)」に挑戦してみました。ひちりき・龍笛ともにです。
また、ひちりきはネットで勉強させていただいた「高麗 壱越調 意調子」を
真似してみました。
楽譜はございませんし、教わっておりませんので間違っていると思われます。
ネットで演奏なされている方は大変お上手な方です。
また、前回は東儀秀樹さんの「朝倉音取り」を真似してみました。
カナ譜はありませんので、私の「耳」だけで音を追っております。
音は東儀秀樹さんとは、ほど遠いので正式にお聴きになりたい方は
東儀秀樹さんの「朝倉音取り」をお聴き下さい。
東儀秀樹さんのは、音を押えた実に見事な演奏です。
また、前回は龍笛は「浦安の舞」の入退場に使用する音頭と舞の伴奏を
吹いてみました。
入退場に使用する龍笛の音頭には半音および3/4音があると思われます。
また、「浦安の舞」は低い壱越が極端にでにくい(下がりきらない)
ので、龍笛の基礎練習には優れた練習曲だと思っています。
篳篥の「浦安の舞」は平調からではなく、黄鐘から吹奏を始めています。
(平調からだと音域が足りません)
お手数ですがYoutubeのサイトにコピーを貼り付けてお聞き下さい。
(直接のリンクは、文字化けがありましたのでやめました)
篳篥 太食調音取り → https://youtu.be/dX2lzaj2bjw
龍笛 太食調音取り → https://youtu.be/SJW7VBxZgbY
篳篥 高麗壱越調意調子→ https://youtu.be/8K3nStg5Rzs
篳篥 朝倉音取り → https://youtu.be/yTc9mdogYGI
龍笛 浦安の舞入退場→ https://youtu.be/X5P7pVFpcD4
龍笛 浦安の舞 → https://youtu.be/Df4iQVXCkAc
篳篥 浦安の舞 → https://youtu.be/s0Ny4pWwG00
笙 黄鐘調の越殿樂→ https://youtu.be/91N58qZwKng
笙 唱歌 黄鐘調の越殿樂→ https://youtu.be/Ggd_XtDcBh8
龍笛 黄鐘調の越殿樂→ https://youtu.be/jTclXG9eFYI
篳篥 黄鐘調の越殿樂→ https://youtu.be/ENVtRaF2KtE
龍笛 沙陀調の音取り→ https://youtu.be/z4Uc4jjw-0w
篳篥 沙陀調の音取り→ https://youtu.be/G_yJPqGFIWY
ひちりきのリードにはまって「あっと言う間に7年」が経ってしまいました。
その分、ひちりき・笙・龍笛の演奏技術は上達せずに停滞のままです。
妻は私のことを「リードに関しては紙一重」と自分の妹に言いつけております。
振り返ってみますと晩年からひとりで雅楽に取り組んだ私は、インターネットが
あったからこそ続けてこられたのだと思います。
わからないことや、これからのことを考えるときにはいつもネットの検索が
頼りでした。
雅楽の専門書は町の本屋さんにはほとんどありません。
言い換えれば「雅楽という世界は非常に閉鎖的で少数派」ではないか
ということです。
私の住んでいるところは雅楽の教室さえありません。
演奏会も恐らく数年に1度あるかないかです。
結婚式もどんどんチャペルや人前挙式に移ってしまったと聞きます。
こんな「じじい」ではなく、もっともっと若い世代が雅楽に興味を持ち
伝統楽器に取り組んでいただきたいなあ。とつくづく感じております。
そのためには
@学校教育との連携強化・充実
A学校各種イベントへの参加
B神社仏閣・結婚式場との連携強化
C全国演奏会の充実
D全国雅楽コンクールの開催
E協力企業(スポンサー)の発掘
FTV・ラジオ番組への参加
G雅楽教室の充実・各種発表会の充実
Hネットの雅楽の世界確立
I譜本の改良や教則本の充実
Jリードの標準化の促進・流通の確立
K諸外国での雅楽演奏会・解説の実施 などが必要と思われます。
この7年間は毎日が「リード、リード」でした。60代にしては充実した
日々だったと思っています。
私は飽きっぽい性格なのでリードにはまっていなかったら、雅楽も
やめてしまっていたと思います。
オーボエ奏者の随筆に
「これは私にぴったしというリードは、一生のうちに一度あるかないかです」
という一行がありましたが、そういう思い出に残るようなリードを作り上げて
いきたいなあ。と今も真面目な実験を積み重ねております。
ホームページもWORD(身近なソフト)で作りました。
ホームページそのものは、私の手作りなので無料です。
写真は私の携帯の待受け用です。
設計は素人ですので、不親切な点・見苦しい点が多々あると思います。
少しでも良くなるように、これからも手直しを続けて参ります。
ホームページも「リード」を作らなかったら、取り組んでいないと
思います。
<ご参考>
このホームページは「niftyさんのライト」というサービスを利用しております。
月額 約100円 の利用料金です。
このサービスでは1GB(ギガバイト)まで可能で、このホームページで
2MB(メガバイト)強を使用しております。
ご意見などがございましたら教えていただきたく存じます。
私のメールアドレスは「ひちりきリード」です。